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□きみの愛に溺れていたい
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愛しくて堪らない―――

リディア、きみはほんとに僕を誘惑する妻だよ…………






連日続いた秋の集まりが終わりを告げた夜、リディアはエドガーと共に寝室で就寝の口づけを交わしていた。
「んん、んふっ……エドガー」
歯列を割って侵入する夫の舌にリディアは甘い吐息をもらす。
いつもより激しさの増した口づけに、身体の中心が熱を帯びたように熱くなってきた。
「……っ、エドガーっ」
漸く彼の身体を押し返すことができ、はぁはぁと乱れた呼吸を整えリディアは夫の顔を見た。
「エドガー、今日はどうしたの?」
「……きみが他の男に声をかけられているのを見る度、僕の心は掻き乱れて仕方がないんだ……」
「えっ…」
エドガーはそっとリディアの唇を指先でなぞる。
「社交界に参加している間、伯爵邸の主として毅然とした態度で振る舞っていたんだけど、もう、限界…だ」
愛しそうにリディアの瞳を覗き込み、そして優しく寝台に押し倒した。
「今夜は寝かせないから」
自身満々に告げる夫に、リディアは視線をさ迷わせながら答える。
「え…っと、あのね、エドガー、あたし今夜は……」
疲れて眠りたいと言う言葉は最後まで紡ぎ出すことはできなかった。

明朝までの時間、二人は熱い刻を過ごすこととなる。












続く。
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