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□侍女の企み 事件発生編
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エレン「ケリーおねいちゃ〜ん!」
ケリー「どうかなされましたかエレンさま?」
エレン「あのね、あのね、大変なの!」
ケリー「大変?」
エレン「大変……なの」
エレンはケリーの傍に駆け寄り、その小さな手で彼女の服の裾を引っ張り、言いにくそうにしている。
その様子にケリーはただ事ではないと判断し、二人っきりになれる場所へとエレンを連れて行った。
そして、
ケリー「エレンさま、ここなら誰にも見られませんし、聞かれませんわ。さぁ、話してくださいませ」
ケリーが二人っきりにしてくれた為、エレンはほっとしながら先程の続きを話し出した。
エレン「あのね、最近お母さまとお父さまがらぶらぶしないの」
仲睦まじいエドガーさまとリディアさまがらぶらぶ…仲良くしていない……
ケリー「なんと!それは一大事です!!」
ケリーはエレンから聞いた話しの内容が、アシェンバート家を揺るがすほどの重大な事件だと認識した。
エレン「お父さま、いつもお母さまとらぶらぶしてお仕事行くのに……。全然ないの」
泣きそうになりながらエレンは今の両親の様子を話してくれる。
ケリーはそんなエレンの姿を見て悲しくなる。
ケリー「エレンさま……」
ケリーはエレンをそっと抱き寄せて考えた。
そして、一つの案を出した。
ケリー「エレンさま、先ずはお二人がらぶらぶしない 原因 を見つけましょう」
エレン「原因?」
ケリー「はい。エレンさま!調査開始は明日の朝からです!なんとしてでも原因を突き止めてご両親には仲良くなって頂かなければなりません!!」
エレン「うん!エレン、頑張る!」
ケリーの意見に賛成し、エレンは明日の調査に向けてケリーと相談するのであった。
二人(エドガーとリディア)の仲の良さを守る為には、なんでもする…
それが侍女ケリーに与えられた任務なのである!!
続く。