本棚W

□開かれざる扉
1ページ/2ページ


ある日、エレンは今まで不思議に思っていたことを両親に聞いてみることにした。


エレン「おとうさまぁ、おかあさまぁ!」



リディア「エレン、どうしたの?」


エレン「あのね、おとうさまとおかあさまにどぉしても聞きたいことがあるの!!」



エドガー「聞きたいこと?僕たちにかい?」


エレンはコクコクと頷き、母親のドレスの裾を引っ張った。




エレン「あのね、おとうさまの部屋の奥にある きんだん部屋 って、なぁに?」



エドガー「………」


リディア「……」



二人は答えられず、その場に硬直してしまう。



エレン「おかあさま?おとうさま?」


両親が黙り込んでしまったことにエレンはさらにどうしたの?と聞き返してくる。



やがて落ち着きを取り戻したエドガーが、エレンと同じ目の高さまで屈むと、ポンッと娘の両肩に手を置いた。



エレン「おとうさま?」


エドガー「エレン、よく聞いてね。あの部屋はね、僕とリディアがとっても LoveLove する部屋なんだよ」



エレン「ラブラブ……」


父親の言葉にエレンの瞳は輝きを増していく。そして、
エレン「ラブラブするところじゃエレン、入れないね!ざんねーん」



そう言うと嬉しそうに駆けて行った。


とりあえず娘にあの部屋のことを悟られないで済み、ほっと一息吐くことができた二人。


リディア「よかったわ!エレン、あの部屋に近づかないでくれて……」


エドガー「そうだね。あの部屋はエレンにとっては悲しいだろうから……」


リディア「ええ、そうね」



エドガーとリディアが必死に隠し通した 禁断部屋。



お互いを愛するが故に招いてしまった 過ち が待っている部屋。



開けることは決してない……


しかし裏の世界では……


既に開かれているのかも知れない――――










。。。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ