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□〜Hot Present〜
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「お母さま、今日お誕生日だよね!おめでとう。実はね…お父さまやレイヴンやみんなと一緒にお母さまの誕生日を内緒で祝おうって決めて。だから……その…おとうさまを怒らないであげてね」
「ティル…」
それを聞いてようやくリディアは理解した。レイヴンのおかしな仕草、様子、ハリエッドやケリーの会話。そしてどこにも姿が見えなかったエドガーの行方。
すべてがリディアの誕生日パーティーをバラさないための演技だったのだ。
「ありがとう。みんな…あたしのために…」
嬉しさのあまり涙が込み上げ、すすり泣くようにしてリディアは話す。
「ほらリディア、笑って。今日はきみの誕生日なんだから」
エドガーはリディアの目から涙を拭う。
「うん…。ありがとう。エドガー、ティル、みんな」
リディアは笑顔を見せてみんなに感謝の言葉を述べた。




その日伯爵邸の一室で開かれたリディアの誕生日パーティーは、夜遅くまで開催された……。










おしまい。
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