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□きみの愛に溺れていたい
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エドガーの指先がリディアの素肌を滑るようにして優しく触れる。
「…っぁ…ん……」
思わず艶声を出しそうになり、リディアは慌てて漏れ聞こえる声を抑えた。
「リディア、声、聞かせて」
エドガーはリディアの耳朶を甘噛みし、ペロりと舌で舐める。
「ひゃ…ぅうん……ん」
ゾクゾクと身体の中心から震え、徐々に快感への道が開かれていく。
もう何度も抱かれているのに、彼の誘う愛撫にはどうしても慣れず、リディアはキツく瞼を閉じ、頬を朱に染め上げた。
「リディア、ちゃんと目を開けて?僕を見て」
「……っあ、や…できな……」
「だめ。見てくれないと―――」
エドガーはリディアの瞳に己の姿を映し出させる言葉を耳元で囁いた。


《激しくしちゃうよ》

「……っ!」
その囁きは見事にリディアの瞼を開けさせることに成功した……が、変わりにそっぽを向かれ、こんなことを言われてしまう。
「……エドガーの、いじわるっ」
しかしリディアの態度に項垂れることもなく、エドガーは余裕に満ちた表情でリディアの顎のラインを指先でなぞる。
「僕はきみにだけ〈意地悪〉するよ。だってきみの反応が可愛いくて堪らないから」
恥ずかしい台詞を淡々と言ってのける夫に、リディアは逆に恥ずかしくなってしまう。けれど、これは絶対言っておかなければと思い、エドガーに伝えることにした。
「……エドガー、絶対に……あたし以外に〈意地悪〉しないで。あたしにだけたくさん、いじわるして……」
暫し考える素振りを見せ、エドガーはリディアの首筋に口づけた。
「リディアがいつも僕の前だけで乱れてそして、僕を満たしてくれたら……ね」
「……んふぅ…ん」
リディアの甘い吐息が、エドガーの五感すべてを支配していく……












続く。
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