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□モノクロだった世界
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冬。
外は雪の白さに包まれて、物静かな雰囲気に心奪われる。
そんな中、人々は寒そうに体を前屈みにしながら歩いていた。
そして、この話は、この地に住む男、太子の家に、付き合い始めたばかりの恋人、妹子が太子の家に初めて来る物語である。
モノクロだった世界
「…座布団セットよし。匂いよし。掃除よし。トイレのセットよ『ピーンポーン』うぎゃ!来たっ!」
太子は慌てて玄関に行き、声をかけて尋ねた。
『あ、小野ですー。』
「ははははい!お待ちをー!」
鍵を外し、緊張のあまり勢いよくドアを開けてしまった。
「いだあっ!!」
「ご、ごめん妹子!」
「一体何の仕打ちですか…」
「いや!違うから!事故だよ事故!妹子が来るから緊張してて…」
「まぁいいですよ。上がらせて頂きますね。お邪魔しまーす!」
「あ、ど、どぞ…」
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