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□覚悟してよね?*
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現代。
日本のとあるカラオケにて―
「センキューッ!!」
ソファの上に立ち、高らかに歌い上げたのは、服部半蔵(17歳)。
半蔵は、決めポーズをとった(※ポーズはご想像にお任せします)
パチパチと拍手をするのは、半蔵の友達である小野妹子(16歳)。女のような名前だが、れっきとした男である。
「あー、スッキリした!」
半蔵は、ソファに座って飲み物を飲んだ。
「半蔵って、歌うと人変わるよね…」
「いやー、なんかさ、テンション上がっちゃうんだよなー!」
半蔵は苦笑いをし、コップを置いた。
「大分歌ったよね。えっと、もう3時間経ったんだ!」
「ん?そんなに経ったか。あと2時間あんだ。」
5時間のフリータイムをとった二人。この二人はカラオケが好きで、しょっちゅうカラオケに行っている。1時間や2時間では物足りないのだ。
「あれ、妹子歌入れてないの?」
「うん、何歌おうか悩んでて…」
妹子はピッピッとタッチ式のパネルを操作している。
なかなか歌いたい曲が思い浮かばず、悩んでいた。
「まぁほぼ歌いつくしてっからなぁ。チャレンジしたい曲はないの?」
「チャレンジしたい曲ねぇ…」
半蔵は、テーブルを挟んで向かえに座っている妹子を見つめる。
そっと立ち上がり、妹子の右隣に移動した。
「んー、じゃあさ、アレは?」
「…っ!」
半蔵は妹子と肩をくっつけ、画面を覗き込んだ。
顔が近い。
妹子はドキドキしながら画面を見た。
ピッと半蔵が画面を操作する。
「これこれ、この曲さ、この前テレビで聴いて、妹子の声に合うと思ったんだよなー!」
半蔵は妹子の顔を見ながら話した。
ふいに顔を向けられたものだから、妹子は思わず顔を引いた。
「…ん?どうした?」
半蔵は再び顔を近づけ、目の前で手を振った。
「だ、大丈夫…」
妹子は赤くなった顔を隠すように、俯いた。
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