メジャー短編1
□寿誕『今日という日が』
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「なぁ寿、お前何欲しい?」
「え?」
お風呂でさっぱりした後、明日の宿題にとりかかる僕に、ソファーに踏ん反り返った吾郎君が突然聞いてきた。
「え?って、今日お前の誕生日だろ?」
「ああ・・そうだけど。なんで知ってるの?」
「なんでって・・・今日お前当てにいくつかプレゼント届いてたぞ」
「ふーん、そうなんだ」
「そうなんだ、って・・宿直室に置いてあるからあとで取りに行けよ」
「ああ、分かったよ。で、吾郎君も何かくれるんだ」
「へへ、まぁな」
「気持ちは嬉しいけど、遠慮しておくよ」
「なーんでだよ!せっかく人がその気になってるってーのに。俺からプレゼントもらえるなんてラッキーだぜ?お前」
「はっ?・・・プッ、何それ」
彼が偉そうなのは今に始まったことではないが、どこか得意げに話す吾郎君に今日は何故かイラつく。
「オイ寿!なんだよその小馬鹿にした態度は!」
「別に・・・気のせいじゃない?」
フイっと机に向き直り、再びペンを走らせる僕に吾郎君は怒り心頭に立ち上がると肩を掴んだ。
「ッ!・・ッたいなー。何?」
「何じゃねーよ!なんだっつーんだよその態度は!」
「・・・なんでもないよ。放っておいてくれないか?」
ジッと睨み付ける様に見上げた僕に吾郎君は「チッ」と舌打ちをすると、ソファーにドカっと座りテレビの音量を上げた。