Red Roze
□近頃の悩み。
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―困った。
たった今の素直な感想。困った。
ストレートに、困った。
何が困っているって、それは周りから見ると些細なことだが。けれど彼にとっては何よりも重要なことだ。
―最近、マリアローズがそっけない気がする…。
それは、凄く些細な変化だが、彼は感じ取っていた。
例えば、何回か目を合わせてくれないことがあったり。
気がついたら勝手に出かけられてしまったり。
朝早くおきたかと思えばどこかに行ってしまったり。
「ああぁぁあ、もう!」
マリアマリアマリア!ボクをこんなに困らせるなんて悪い子だネなんて言ってあげたいけどそれすらも許されないなんて!
ツンデレを極めるマリアが、やっと気を許してくれて、部屋に呼んでくれて、そういう…あの、まあ、あれだ。
とにかくいちゃいちゃといっても過言でもないくらいに関係は進展していたのだ。
「原因がわからないんだヨ…原因が」
彼は往生する。部屋の中をうろうろと動き回り、思考をめぐらせた。
が、
「何も思い浮かばないってどういうことだヨ…」
解決方法がさっぱり出てこない自分にもどかしさを感じ、彼は舌打ちをした。どうもマリアローズ関係になると自分は無知らしい。
マリアローズ関係というか、恋愛関係に疎いのだが、彼はそれを認めたくない。
とにかく、何も浮かばないなら何かするしかない。
とりあえず……マリアに会いに行こう。
話はそこからだ。
「よし」
有言実行の彼はすぐさま行動に身を移した。
こんな状況を早く脱出して、マリアといちゃいちゃしたいんだヨ!!なんていうような急く気持ちをほどほどに抑え、彼は軽い身支度をし、自室の窓から飛び降りた。