SS:


 彼女は言っていました。

 あの子と笑っているまさにそこにミサイルが落ちてきて、奇跡的に死者一名・負傷者なしで済んでほしいと。
 そんな恋だと。
 墜落の衝撃であの子からは彼女の記憶だけが消え、ハッピーエンドになるのだと。

 あの子は言っていました。

 かなしい話ねと。
 よくわからない顔をして、告別式で言っていました。


(私は、私は、もう戻らない、彼女のことが好きでした)






[TOPへ]
[カスタマイズ]

©フォレストページ