ホスト部にご用心

□第七話
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俺は何時も通り、授業をさぼり屋上へ行く。
ただ違うのは今の格好は柳生と云う事かの。



「いい加減にして下さいまし。」



屋上へのドアを開けようとした処で、先客がいた事を知る。



「・・・・・・。」



あれは・・・緒方慶・・・。
俺に媚びる事なく、怖がる事なく、睨み返して来た女。
見た目は限りなく地味、何で宮園が友達をやってるんかが不思議なくらいじゃ。



「目障りですわ。宮園さんの見目は認めましょう。ですが、貴方は目障りですわ。」
「・・・・・・。」
「さっさとお辞めになる事ね。これ以上痛い目を見たくなければ・・・。」
「・・・・・・。」



やっぱりあいつら手ぇ出しとったか・・・。
あいつらとは俺らテニス部のマネージャーになる奴に対して悉く潰して来た奴ら。
自称俺らのファンクラブとか名乗っとるのぅ。
正直目障りじゃが、別に害はないので放っておいた。

緒方はそいつらに対して何も云わない。
あれは云っても意味がないと判っとる顔じゃの。

奴らのリーダー格、燧やその仲間達が此方に向かって歩いて来るので、俺は身を隠す。



「ふぅ・・・。」



燧達の姿が見えなくなると、緒方は立ち上がり、埃を払う。



「!?」
「・・・おや、珍しいですね。緒方さんがこんな処におられるなんて。」



今まで表情が変わらんかった此奴が、俺がドアを開けた瞬間驚いた顔をしよった。
ちょっといいもん見たの。

俺は緒方が如何なろうが、如何でもいい。
じゃが今の俺は柳生比呂士。
完璧に演じてみせるぜよ。



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