ホスト部にご用心

□第九話
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「緒方!!おい、緒方!!」
「慶!?しっかりして!慶!!」



突然倒れ込んだ緒方を俺は慌てて支える。
緒方の身体はぐったりして、瞳は固く閉じられている。



「慶!?慶!?」



宮園は目に涙を溜めて、軽くパニック状態。



「仁王君、取り合えず木陰へ。」
「判っとるよ。」



俺は緒方を抱え上げ、木陰に在るベンチへと運ぶ。
ギャラリーからは悲鳴が聞こえて来たが、今は気にしてる場合じゃなか。
柳生が緒方の手首を取り、脈を取る。



「脈も呼吸も正常です、恐らく貧血か何かでしょう。心配は要りません。」
「今、119番をした。じきに救急車が来るだろう。」
「慶!慶!」
「落ち着いて下さいっス、宮園センパイ。」
「切原君・・・、でも!!」



赤也が宮園を宥めるが、本人に聞こえているか如何かは微妙じゃな。

俺は自分の掌を見る。

・・・・・・いやに軽かったの・・・。
おなごちゅうもんは男より軽いもんなんは知ってたが、此処までとは・・・。

俺はいまだに目覚める気配のない緒方の顔を見る。
細い肩、頼りない首筋、折れそうな腕。
お嬢様方にあれだけの啖呵を切っていた緒方が酷く小さく見えた。



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