ホスト部にご用心

□番外編
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「慶、大丈夫かな・・・・・・。」



病院に運び込まれた慶。
然し待っても彼女が目覚める気配はなく、ついには日も暮れてしまった。
面会時間が過ぎたから、と看護師に追い出され、今は全員病院を後にする。



「大丈夫っスよ、医者も暫くすれば目を覚ますって云ってたじゃないっスか。」
「そうですよ宮園さん。心配する必要は在りません。」



切原と柳生が零を慰めるように囁く。
放っておけないのも頷ける。
先程まで零は涙を流し、その目は赤くなっているのだから・・・。



「切原君・・・、柳生君・・・。うん、有難う。」



力なく笑う零。
それが余計に痛々しい印象を与える。



「んじゃそろそろ帰ろうぜぃ。」



しんみりとした空気を感じ取ったのか、丸井が努めて明るい声で云う。



「だな。」
「宮園、もう遅い、俺が家までおく ガスッ!」



家まで送ろう、そう云おうとした真田に何者かの鉄拳が加わる。



「た・・・、たまらん・・・。」



真田死亡。
真田はその場に力なく崩れ落ちる。
真田に鉄拳を食らわせた人物は勿論・・・・・・。



「赤也、宮園さんを家まで送ってあげてくれるかい?」



立海最強(凶)幸村精市、その人で在る。



「へ?俺っスか?副ブチョやジャッカル先輩の方が(顔で)安全なんじゃ・・・。」
「赤也。」
「イエス、サー!!行きましょう宮園先輩!!」
「え、あ、え?」



零には判らなかったものの、切原に対して何やら殺気混じりの何かを放った幸村。
瞬時に切原の顔は青くなり、逃げるようにしてその場を去る。
零の腕を強引に掴んで。



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