purify〜神のいない月
□第壱夜
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9月30日月曜日。
まだ残暑が残る秋晴れの空。
空は何処までも青く澄み渡り、風は穏やかに頬を撫でる。
そんな中、彼女はやって来た。
此処、青春学園中等部に。
・・・・・・未だ嘗て。
こんな転校生は存在しただろうか。
いや、一般的に考えればいない、と云いたい。
どんな人物であれ、第一印象は大事にするもので在る。
然し彼女は違っていた。
ボサボサの髪、目の下には隈。
新品の筈の制服は既にヨレヨレで。
その姿は「もう少し何とかならなかったのかい」と先生に云われるほど。
笑いもしなければ、名乗りもしない。
だって今担任が云って、黒板にも書いてあるだろ、っと。
早々に空いていた席に座り、そのまま机に突っ伏す。
そしてものの数分の内に安らかな寝息を立てる。
折栄禊の第一印象。
・・・・・・何だ此奴。
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