purify〜神のいない月

□第弐夜
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10月に入った。
今日も何時も通り。
朝練にちょっと遅刻して手塚に怒られて。
大石に宥められながら楽しくテニス。

朝練が終わったら一気に眠気が襲って来た。
早起きしたのとテニスの疲れで。
まぁ一番の理由は勉強が嫌ってのもあるけどにゃ。



「おはよう、不二、菊丸。」
「おっはようだにゃー。」
「おはよう。」



同じクラスの不二と一緒に教室に入る。
昨日とちょっと違う事。
それは俺以上に眠そうにしている・・・。



「!おっはよう!折栄さん!」



もう席についていた折栄さんに元気よくご挨拶ぅ。
ちょっと苦手だけど、そう云うのはダメだよね〜。



「・・・・・・おはよう。」



今にも消えちゃいそうな声だにゃ〜。
昨日とおんなじで折栄さんは机に突っ伏して寝る態勢。
俺も授業中はよくやるけど、流石にHRからはしないぞぉ。
よっぽど眠いんだにゃー。



「・・・今日はちゃんと在るから・・・。」



俺の隣にいた不二を見て一言。
二人で顔を見合わせて?を飛ばす。
折栄さんは気力がないのか、それ以上は何にも云わないで寝てしまった。
ちょっと間を置いた後、不二が、



「あ、お昼の事か。」



と納得。
結構律儀な子なのかにゃ?



「おい、折栄。起きんか!折栄!」



あーあ、捕まっちゃったにゃ。
余りにも堂々と寝てるから他の先生は注意しなかったけど。
この先生はしつこいので有名。
俺も何度ネチネチ云われたか・・・。



「・・・・・・。」



目線だけを先生にやる折栄さん。



「何だその目は!ほら、この問題を解いてみろ。」



うっへ〜、難問!
俺、全っ然判んない・・・。

先生が示した黒板の数字の羅列に目が回る。
折栄さんはゆっくり立ち上がると、数秒で答えを書いて席に戻って行く。



「せ・・・正解だ。」



わぁー、逆に先生が冷や汗かいちゃってるよ。
あったまいいんだな、折栄さん。
手塚とどっちが頭いいんだろ?
折栄さんは何事もなかったようにまた寝る態勢へ。



「くっ・・・。では次の問題は・・・。」



悔しそうな先生。
ちょっといい気味だにゃ。



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