ホスト部にご用心
□第六話
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トイレへと向かっている間に、着信が切れてしまったので此方からかけ直す。
「もしもし?凪さん?何か在った?」
『すみませんお忙しい処を・・・、例の株の件で少しお聞きしたい事が・・・・・・。』
電話からは如何にも紳士そうな声。
「ああ、其処は・・・・・・。」
「お手数をおかけ致しました。」
「ううん、私も帰ったら確認するわ。それじゃあ。」
電話を切って、私は壁に頭を預けた。
「ふぅ・・・。」
知らず知らずのうちに溜息がこぼれる。
帰ったらまた、やる事がいっぱいね・・・。
「慶!!」
「!!」
私の名を呼んで走って来るのは零。
「もう、遅いから帰っちゃったのかと思ったわ。」
「帰って良いなら帰るけど。」
色々やりたい事も在るし。
「駄目ー!!私を一人にしないで!!」
「はいはい・・・。」
零は逃がさないとでも云うように、腕を組んで来る。
そんな事しなくても帰りゃしないっつーの。
あんた一人をあのホスト部連中の中に置いてけるかっての。
「はぁ・・・。」
また溜息がこぼれた。
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