purify〜神のいない月

□第弐夜
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ね、眠い・・・。



昼夜逆転生活が当たり前の私にとって、昼間起きている事に耐えられない。
ましてや授業など聞いていられる訳がない。
教師の声は子守歌、机はベッド。
まぁ、快眠ではないが。



「おい、折栄。起きんか!折栄!」
「・・・・・・。」



・・・・・・面倒臭っ。



目線だけを教師に向けると明らかにご立腹状態。
義務教育なんだからほっときゃいいのに。



「何だその目は!ほら、この問題を解いてみろ。」



私は欠伸をかみ殺しながら立ち上がる。
どうせ寝不足はゲームか何かをしているとでも思ってるんだろう。

・・・何も知らないって幸せね。



黒板には数字の羅列、数学だったのか。
チョークを手に取り、答えを導き出す。
制服なんか身にまとっているが、中身は二十歳。
中学の勉強くらいは普通に出来る。



「せ・・・正解だ。」



悔しそうな顔。
嫌味の一つでも云ってやりたかったけど止めておく。
これ以上関わりたくないもの。
私は自分の席に戻って再び腕の中に顔をうずめた。



「くっ・・・。では次の問題は・・・。」



授業再開、でも周りからは囁き声。
如何やらこの教師は嫌われているらしい。



「・・・・・・。」



ま、私には関係ないか。



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