ペーパー

□アイドルを目指せ 後編
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「みんな〜!今日も一緒に燃えようネクロマンサ〜!!」

という、異様にテンションの高いお通の一言でコンサートは始まった。

「今日は、一日だけのユニット組んじゃうゾウのウンチはめちゃ臭い!!」
「「「めちゃくさい〜〜〜!!!」」」

はっきりいって、このノリには付いていけない。思わず土方は腰が引けた。しかも、一体なんなんだろう?この熱気は。観客席を見ると、みな殺気立ちさえしている。その上、一番前の観客席に見知った顔を見つけて、土方はガックリと項垂れた。
恋人の家業の従業員だ。仕事はいいのか、と思ったが、よく考えると雇い主が今現在、この舞台袖で身悶えている最中なのだから、致し方ない。
あの雇主にして、この従業員ありだろう。
とにもかくにも、大方3時間の辛抱だ。この会場はそれこそ蟻の子1匹入り込めないように、厳重な警備態勢下に置かれている。そう滅多なこともあるまい。
その間、自分はニッキーとミミーと戯れ……、いや、お通から目を離さずに護衛をしていればいい。
土方は河上の特訓を如何なく発揮して、会場を多いに沸かせた。





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