ペーパー

□甘い物にはご用心
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土方の様子がおかしい。最近会ってくれないのだ。
彼は滅多に非番を取ることができない為、昼休みなどにケーキヴァイキングに出かけたり、夜、少しでも早く仕事が終えれば、家にやってきて夕飯と共に取ったりしていた。
それなのにだ!!
この二週間というもの、全く彼と会うことが出来ない。
仕事が忙しいのかと思って巡視中の隊士をとっ捕まえて聞いてみても、今はそう急ぎの仕事はないらしい。
沖田に聞けばどす黒い笑顔をそのベビーフェイスに浮かべ、山崎に聞けば曖昧に笑いを浮かべ、どちらとも誤魔化すのだ。
おかしい!絶対におかしい!!
屯所に押し掛け、土方に取次ぎを頼んでも、会いたくないと門前払いされ、電話も無視され、メールの返信もない。
何があったのだろうか?最近はテロもなく、強制捜査も行われていない(新聞で見る限りだが)から、恐らく怪我などは大丈夫だ。
なら、なんで会ってくれない?

 ……。え?もしかして俺ってば嫌われちゃった?

最終的に辿り着いたその考えに、銀時はさっと顔色を変えた。
一体自分は彼に何をしただろう?銀時は一瞬で凍りついた頭を懸命に解凍して、最後に会った時のことを思い出す。
しかしどう頑張って記憶を搾り出してみても、何も心当たりにぶち当たらない。
マズい。無意識の内に彼が嫌がることをしたのかもしれない。

 Hがしつこかったとか……?

先日ようやく結ばれた二人は、それから何度となくイタシているのだが、どうも銀時は今まで押さえつけていた欲望が溢れ出したのか、彼を求めることを止められない。それが彼にとっては負担だったのか?
とにもかくにも、何か銀時が気に触ることをしたのなら彼に会って、泣いて縋って土下座してでも許しを請わなければ……。
事、土方に関しては男のプライドも何もない。土方を前にすれば、そんなものは塵ほどの価値もないのだから……!

 待ってて!土方……っ!!

自宅を飛び出し、屯所に向かった銀時は思い掛けない人物に歓迎された。

「銀時!トシを助けてくれ!!」

近藤に局長室に連れ込まれ、開口一番にそう泣きつかれて銀時は吃驚のあまり心臓が止まるかと思った。
助けてくれ、ってどういうことだ!?
一瞬フリーズしてしまった銀時を近藤は土方の部屋に連れて行った。
そして……。





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