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□二
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「壱真選組なのカヨ!?」

「俺といるんだからそうに決まってらァ」

「他に友達いないもんネ」

「お前より多いでさァ」

「あり得ないアル。まさかこいつの手下アルか!?」

「それはないよ。さすがに私も沖田君の下で働こうとは思えないね」

「斎藤あとで覚えてろィ」

「ププッ振られてヤンノーダッセー」

「しかし神楽はよく食べるね」

「ただ飯にありつけるときは遠慮なく食えっていわれてるネ!!おかわり!!!」


まじで遠慮ない。

お財布の中の札で足りるか真剣に不安になってきた。でもまあ美味しそうに食べているならいいかな、と口元が緩む。それを見た神楽が、綺麗な青い双眸を開いて、ぽかんといった。


「お前、ほんとに男アルか?」

「ご飯粒ついているよ。失礼だな、女に見える?」


口元についたご飯粒をとり、食べてくすりと笑えば顔を赤くした。可愛らしいことこのうえない。


「今のその格好だったらどう見ても女だろィ。つうか口説くなよ」

「こんなに可愛らしい子、私の食指が動かないわけないでしょっだ!」


ぼかっと頭を叩かれる。ファミレスに入った私たちは、なぜか私と沖田君、私の前に神楽という配置で喋っていた。神楽の前には山積みの空の皿がある。


「叩かないでくださいよ君とは違って頭脳派なのに」

「嘘こけばりばりの行動派じゃねーかィ」

「壱って強いアルか?」

「沖田君より強いよ」

「俺より弱ぇ」

「どっちネ」

「私のほうが強いですよ」

「真剣だったらだろィ。竹刀なら俺のが強ェ」

「認めません。なら稽古場で何回も君を潰してる私の功績はどうなるんですか?」

「あれは俺が手抜いてやってるんでさァ」

「ああ?それはちょっとだめですよねえ沖田君?帰ったら土方君とぶちのめして差し上げます」

「上等でさァ返り討ちにしてやりやす」

「決着つかないアル。サド、私と壱だったらどっちが強いネ?」


こんな可愛い子と何度もバトってたのか。ますます許せないと思いつつ、沖田君を見やる。

おそらく神楽は夜兎。なら彼女より強くなりたいと思うのは普通だろう。

そのときふとさっきの男を思い出す。桃色の髪は夜兎の特徴の一つだ。でも、夜兎は確か人数が多くはないはず。

――気のせいか。

彼はパフェをパクリと食べてから、一言いった。


「斎藤」

「マジでか!!!」

「嘘でしょう。いえ、嘘というより私が帯刀していてようやく匹敵するくらいでは?」

「おめーが全快で刀付き、チャイナが全快で傘なしならおめーの勝ちだと思いやす」

「今度やろうヨ壱!!」

「私はフェミニストだからね、敵じゃない女の子は斬れないよ。


――ねえ神楽。答えたくなかったら答えなくていいんだけれど、聞いてもいいかな?」


恐らく四杯目になるご飯をかっこむ彼女を見れば、きょとんと視線がぶつかる。本当に綺麗な瞳だ。


「君は、夜兎?」

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