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□満足ですか?オウサマ
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01
雛祭りという建前で、局長たちと共に酒をかっくらう。結局はただの宴会なのだが、酔った勢いで突発的に王様ゲームが開始されていた。既に皆飲んだくれているので見境なしだ。
「次誰だ?」
王と書いてある箸を皆に見せながら、お猪口を干す。
「私ですね。では三番が一番に土下座して、一番に対して隠していた失態を曝して下さい」
いった瞬間左隣から尋常じゃない殺意が突き刺さる。笑いながら彼を見れば物騒な言葉を放った。
「てんめェ斎藤覚えてろィ……」
すると私の前に座っていた土方君が、黒い笑みを浮かべる。
「ほお?斎藤よくやった。俺が一番だ。おら吐け」
「くそったれこんちきしょう死ね土方」
「土下座ですよ土下座。ほら早く」
「総悟潔くいっちまったほうが楽になるぞー」
局長にまで促され、沖田君はかなり真剣に私を睨み付けたあと、土方君に向けて土下座した。
「……てめェのマヨネーズ全部捨てたの俺でさァ」
「知ってるわ!!!!」
携帯で撮影するのは忘れない。
「土方君これいります?」
「おう送れ」
「千円です」
「斎藤……?死にてェんですかィ?」
「あはは」
笑いながらさくっと送信しておく。こういうのはスピード勝負だ。多分あとで殴られる。
山崎君が箸を回収してまたばらばらと引き始める。多くの隊士は既にダウンしていて、残っているのは局長、土方君、沖田君、山崎君、そして私だ。
適当に引いて番号を確認する。その間にも酒を干していく。もはや惰性で飲んでいるようなものだ。女中も付き合いきれないとばかりに眠りにいってしまった。
「次は誰だ?」
「俺でィ」
にやぁと嫌ぁああな笑みを浮かべた沖田君。嫌な予感はひしひしするが、当たる確率は四分の一。まあそう慌てなくとも大丈夫だろう。適当にやり過ごせばいいし。
が、彼の命令に酒をお猪口に注ぐ手が止まった。
「一番俺の足舐めろィ」
冷たい沈黙が流れた。引きつった表情で山崎君と土方君。
「今初めて一番じゃないことに感謝してます……」
「奇遇だな山崎、俺もだ」
じゃあまさか、と二人とくそったれ王様が局長を見るが、彼は気の毒そうな目で私を見ると、自分の持っている箸をさらす。先に書いてあるのは、三。
はぁ、とため息をつきながらお猪口を干せば、沖田君がご満悦そのものの表情で私を見ていった。
「やってもらいますぜィ?」
……。
「変態」
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