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□六
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03



「では、彼女は無事なのですね?」

「おう。長屋の連中には長期任務を当てられたつってたみてえですねィ。今はあそこを引き払ってまたどこかにいったらしいが――、ちなみにあの女、何者でィ」


食事をしながら話を聞き出せばそういうことらしい。誉が無事ならば良かった。安堵に微笑んでいればぎろりと睨まれた。フォークを向けるのは止めてほしいものだ。


「行儀悪いですよ沖田君。きちんと食べなさい」

「あんたが答えたら目ン玉に突き刺すのは遠慮してやらァ」

「ガキ扱いされたくなければ手を下ろして食事を続けましょうね総悟君?」

「……まじでヤんぞ」


なぜか違う意味に聞こえたがにっこり微笑んだまま黙殺する。

ちなみに料理はピザだった。食べているようで食べていない二週間だったため、ファストフードとはいえまともな食事に感動する。できればお米が食べたかったが、夜にでも食べればいいだろう。


「私の刀は今どこに?」

「女から受け取って今は屯所にありやす。出るときに返すつってやしたぜィ」


出る、は字面通りの意味だろう。

ため息をつきながらピザをつまむ。沖田君もあまり食事をしていなかったのだろうか、ぱくぱくと食べるスピードは速い。ここが屯所なら間違いなく奪い合いが勃発していたところだが、生憎盗みやすい局長と土方君がいない今は穏やか極まりない食事だ。


「そういえば、私はしばらく病院にも連れていってもらえないんでしょうか?」


問題はそこだ。とりあえず気にしないことにしていたが、そもそも今病院にいないことのほうがおかしい。

こちとらおそらく軽い脳震盪に加え、縫合が必要ないとはいえ適切な処理がしたい傷等々数えられないくらい負っているのだ。できれば病院で療養したい。

じとりと睨むと彼は全く意に介した様子もなく、私の皿からプチトマトを一つかっさらっていった。トマトのように内臓吐き出して死にたいのだろうか。


「しばらくあんたは謹慎扱いでここに留まってもらいやす。医者は俺が呼ぶからてめえはまず療養しろィ」

「ではしばらく土方君たちには会えないということですか?」

「そうなりやす」


さっきからちらとも表情が変わらないところに腹が立ってくる。今回に限っては、さすがに謝罪しまくりたいところだったのに。

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