novel

□卍丸×虎丸
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ここは一号生の教室
朝からざわついている。
「邪魔するぜ」
そう言って入って来たのは死天王卍丸。
ざわついていた教室が一挙に静まる。
それもそのはず普段天動宮から動くこと無くその姿を現すことのない三号生しかも男塾において10数年君臨する帝王大豪院邪鬼の片腕とも言われる存在である死天王の一人卍丸が一号生の教室に突如現れたのだ。
用事があれば使いでもよこせば済むものをわざわざご本人様が直々にご登場となれば空気も凍るというものだ。
「卍丸先輩!何か御用であるますか?」
勇気をもって皆を代表し田沢が答えた。
「あー、虎丸いるか?」
「と、虎丸は今日はまだ登校しおりません!」
「そか、んじゃまぁいいわ」
卍丸は踵を返して出て行った。
「あの、で、伝言などは無いでしょうか?」
「あー、来た事ぐらいは伝えといてくれや」
と後ろ手を振りながら肩をすくめて去って行った。
「一体なんじゃったんじゃろうなあ?」
「はて、なあ…」
田沢と松尾は首をかしげた。

「うおー、遅刻じゃー」
勢いよく虎丸が掛け込んできた。
「おう、虎丸よ、お前に用事じゃと言うて卍丸先輩がきておったぞ」
「なっ!本当かよ!?田沢」
「ああ、本当じゃ」
「なんか言ってたか!?」
「いやぁ、来たって伝えてくれって言われただけじゃって、お〜い」
田沢の言葉を聞き終わらないうちに虎丸の姿は見えなくなっていた。
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