novel

□伊達×虎丸
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「ただいま、おみちゃん元気にしてたかいの」
虎丸龍次はハムスターのおみちゃんに挨拶した。
「ほう、こいつがそうか」
「そう、こいつ可愛いじゃろ?卍丸先輩も手に乗せてみるといいぞ!」
可愛いかな?…と卍丸は思った。
「はい!」
虎丸はおみちゃんを卍丸に手渡した。
「いってぇ!!!!!」
「ごるぁ〜〜〜〜〜こいつぶっ殺す!!」
おみちゃんは卍丸の手のひらを噛んだ
「先輩、ごめんなさい!」
「こらおみちゃん!先輩噛んだらいかんじゃろうが!」
虎丸は申し訳なさそうに卍丸を見た
そしておみちゃんを慌ててケージに戻した。
「本当にごめんなさい…いつももっと大人しいんじゃが…」
「いや、おめぇのせいじゃねぇけどよ」
「先輩血がでてる!消毒液持ってくるぞ!」
そう言って虎丸は階下に救急箱を取りに階下に降りて行った。
改めて卍丸はそのおみちゃんと言われるハムスターを見てみた。
鋭い切れ長の目
ハムスターにしては引き締まった体つき。
なにより両頬から顔の中央に向けて走る左右三つずつの傷。
ハムスターとしての可愛らしい要素を何1つもっておらずどちらかと言えば
ライオンや豹といった大型肉食獣を思わせルックスだった。
「先輩お待たせじゃ」
虎丸は持ってきた救急箱から消毒液と絆創膏を取りだし不器用な手つきで応急処置を施した。
「これで大丈夫じゃ」
「なあ、虎丸よ」
「このハムスターはどこで?」
「ああ、おみちゃんは普通にペットショップで買ったぞ!なんかもっと可愛いのが他にも沢山いたんじゃが、なんとなく俺に凄い飼って欲しそうな目を向けてるような気がしたんじゃ!」
鼻の頭をかきながら虎丸が言った。
卍丸は何となく気に入らない感じがした。

「んじゃあな虎丸、ちゃんと戸締りして寝ろよ」
「うん!先輩またきてくれよな!」
両親がおらず一人暮らしであることを心配して卍丸はよく虎丸の元を訪れていた。
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