novel

□卍丸×虎丸
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「最近釜の飯10ぱい以上喰らってた虎の奴が5はいしか食わなくなりおった」と富樫が心配している。
それでも5はいは食べるんだなと言うツッコミはスルーしておいて。あの大食漢の虎丸を知る人間からしたら10ぱいから5はいになったことは大事だ。
今日も食堂でまるでダイエット中の女子の如くちまちまと食事を突く虎丸の横にドッカと伊達が腰を下ろす。
「なんだもう食べねぇのかよ、いつも意地汚く人の飯までくすねて行くのにな」
あまりな言いようだが伊達なりに心配しているセリフだ。少々歪んではいるが伊達は虎丸がそういう意味で好きなのだ。そんなことおくびにも出さない男だが。
「一人前はちゃんと食べてるわい、心配は無用じゃ」
「別に心配なんぞしてねぇよ、アホ」
何時もなら伊達の雑言にむきになってかかってくる虎丸が大人しい。食事が喉を通らない理由まではわからないが誰のせいで虎丸がこんな風になってるのかわかっていた。
わかってるだけにムカついて仕方なかった。
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