novel2

□幾つになっても甘えん坊
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暖かい日差しが降り注ぐ校庭のベンチで俺は富樫と二人。
「ん〜っ、富樫ぃ富樫ぃ」
「桃…」
俺は富樫の太ももを両手で抱え込みスリスリとしている。
「は〜っ、富樫の匂い…」
「臭ぇだろ?」
「いんや、いい匂いだぁ」
「そういや昨日洗濯したな」
「桃ぉ?桃ちゃん?」
富樫が俺を覗き込む。こいつは可愛いなぁ。きっと俺が甘えん坊モードに入ったから恥ずかしいんだな。けどここから離れたくないからどいてやらない。
「なあ、お前筆頭会議があるとかゆってなかったか?」
うっ!そうだった…。行きたくない!行きたくない!
「やだっ!やだっ!」
俺は益々富樫にしがみついた。
「やだって言ってもなあ」
「う〜っ!富樫耳かきしてぇ」
「持ってねぇよ、耳かきなんて」
俺はポケットから耳かき棒を取り出す。
「じゃ〜ん、み〜みぃかきぃ」
「ドラえもんっ!?」
「さあさあ」
俺はかいてと言わんばかりに目を開いた。
「しゃあねぇなぁ」
富樫はなんだかんだ言って俺に甘い。
「おらっ!じっとしてろよ」
「うんっ!」
富樫が耳かきを入れて耳垢を取り出し今度は綿の方を入れてフルフルしてくれる。
「はぁ、富樫気持ちいい…」
「そうか?でかいの取れたぞ」
富樫は耳かきが上手い。
「ほれっ、見てみ」
「おおっ!でかいな」
取れた耳垢を富樫が俺に見せてティッシュに包んでごみ箱に放り投げる。
「ふ〜っ」
「ああ」
富樫が俺の耳に息を吹き掛ける。
「富樫」
「桃」
俺は富樫の顔を引き寄せてキスしてやった。なんだかやらしい気持ちになってきた…。だってこいつがやたらいい匂いで顔近いのが悪い!

「富樫ぃ耳かきしてぇ」
こうなったら桃は心ゆくまで甘やかしてやらないと治まらない。
「しゃあねぇなあ」
俺は耳かき棒を受け取り耳垢をとってやってるとそのうちでかい子供は不埒な行為にでてきた。
「んっ…」
小さい耳垢を飛ばす為に耳に息を吹き掛けてやると何を勘違いしたのかキスしてきやがった。
「これな〜んだ?」
「ちょっと桃っ!」
「富樫のチンコでしたぁ!」
「馬鹿っ!変なとこ弄るな」
「ええ?いいじゃ〜ん」
「んっ、こ…んな…とこで」
「そうだ!富樫のお尻揉みたいなぁ」
「お前が膝枕して欲しいっていうから座ってんじゃねぇか」
「そうか、残念」
「また後でいっぱい触ろっと!」
おいおい、とは思うがこれは仕方ないんだ。だって普段のこいつは出来過ぎてる。誰でもどっかで抜かしてかないともたない。桃はこうしないと心のバランスが保てない。その相手が俺で良かった。桃がもし他の奴を選んでたら俺の方こそ心のバランス保てなくなってたかも知れない。

「富樫、手握って」
俺は富樫に手を握らせ繋いだままグリグリ触って富樫の手の感触を楽しむ。
「ちょっと痛いな」
「ごめん、富樫」
けど俺は富樫が痛がっても嫌がっても手を離すつもりない。だって手離して富樫がどっか行ったら俺崩れるよ。俺はもう富樫がいないと立ってらんねぇ…。俺は本当はそんなに強くねぇ。「でも痛くてもいいから手ぇ繋いだままがええわい」
「富樫…ありがとう」
ああ良かった富樫も俺を必要としてくれてるんだ。
「桃ぉ、お前疲れとるんじゃないか?ちょっと眠れ、会議までには起こしてやっから」
別に行かなくてもいいんだけど…。
「う〜ん、俺が寝ても富樫どっか行っちゃわない?」
「もうっ!何処もいかんからさっさと寝ろ」
「うん」

「やっと寝たか」
俺はこいつが神経張って眠りが浅いことを知ってる。俺だって最初は兄貴の復讐のことばっかりで眠れない夜があったから知ってる。
「富樫ぃ、お尻触らせてぇ」
「ぶっ!」
あほうな寝言を…。しかし寝顔は随分幼くなって可愛いのう。
「ふぁ〜」
俺も眠くなってきた…。

「筆頭がこんな無防備な…」
「うむ、まあ良い、後でからかってやろうではないか!」
「富樫の膝枕オプションですからね存分にからかってやりましょう」
先輩筆頭達はほくそ笑んだ。

後書き
スリーナインの女神様、赤石先輩と邪鬼先輩に目撃させましたよ(笑) お種
 

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