過去編

□prologue
1ページ/1ページ




…身体感じる揺れが心地良い。


どれほどの時間が経ったのだろうと、閉じていた目を開く。


「…おや?起きましたか☆」


隣に居た悪魔が、優しく頭を撫でてくれた。


その手が気持ちよく感じて、少し身を捩る。


「もうすぐ着きますよ。」


1つ欠伸をして、車の窓から外を見た。


ガラス越しに初めて見る、自分の知らない世界…。


「正十字学園町。これから、貴方が生活する場所です。」


目を見張った。


夕暮れ時のオレンジ色の光に反射して輝く風景。


何層にも重なる城のような町並みは、見ていて飽きない程神秘的だった。


「…きれい。」


思わず漏らせば、メフィストは満足そうに微笑む。


自由を手に入れたその日から始まった、私の生活。


「ようこそ。私は心から貴方を歓迎しますよ、レイナ☆」


鳥籠から出た私は、飛び立った。


隣にいる、道化のような悪魔の手をとって。






To be continued...

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ