リクエスト

□来世でまた逢おう
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□■□■□■


…いつしか、

彼女の姿を恋焦がれ、愛しいと感じた。

その気持ちに嘘も、偽りもない。

けれど、


『めふぃ、スト…?』


無意識に彼女の首に手をかけた。

ギリギリと、気管を圧迫し、苦しげに声をあげる。

何故か自分は冷静で、冷酷で、

暫くすれば動かなくなるのは当然で、

徐々に体温を失っていく彼女の身体を抱えてようやく我に返る。


『…レイナ?』


身体を揺すっても反応することはなく、

何度名前を呼ぼうとも、此方の声には答えない。

急に感じたとてつもない恐怖に、身体が強張った。


『あぁ、なんて愚かなのでしょうね。』


後ろから聞こえる声に振り替えれば、視界に入る紫。


『貴方が愛してしまったばかりに、貴方の愛しい小娘は死んだ。』


責めるような彼女の言葉に目を開く。


『何をそんなに驚くの?』

『違う!私はッ、』

『あら、いったい何が違うというのかしら。』


目の前の現実から逃げることは許さないと言いたげに、言葉を続けた。





『レイナを殺したのは貴方よ、サマエル。』



□■□■□■



「…スト、メフィストッ!!」

彼女の声で、メフィストは目を覚ました。

身を起こせば、自分にかけられていたシーツが捲れ、自分が裸であることに気づく。

荒い呼吸で呼吸を繰返し、掌をみれば、冷や汗で湿り気を帯びていた。

「大丈夫か?」

持っていたメスを銀色のトレイに置く卯月に『何が?』と思わず聞き返す。

「凄い苦しそうに呻いてたから…。」

『今日はやめるか』と漏らして、ゴム手袋を外し、解剖後の癖になっているのだろう、水道で手を洗った。

今日は、月に1回の自分の解剖日。

彼女にとっては重要な日であった。

呆れたように溜め息をつきつつ、卯月はまたメフィストに歩み寄る。

「調子悪いなら、無理せずに言えよ。」

「…すみません。」

弱々しい謝罪の言葉に少し驚いたように瞬きをし、また溜め息を漏らす。

不快な気持ちにさせてしまっただろうかと、メフィストは目を伏せ、息を吐き出した。

「水いる?」

「いえ…、」

「じゃあ、何処が悪いかわかるか?」

心配性の卯月はそうして彼の顔を覗き込む。

答えないことで、返答が"NO"だと解釈したのだろう。

聴診器は何処だろうかと探そうとした時、メフィストは反射的に卯月の腕を掴んだ。

当然止まることとなった彼女の動き。





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