海賊
□桃鳥×麦藁
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恋する上司に頭を悩ませる部下シリーズ(笑)
『頼むから仕事をしてくれ!!』
【ディスコ編】
手に入らないから余計に欲しくなる
手配書に印刷された無邪気な顔が淫猥で歪むところを思い浮かべると、自然とニヤケてしまうドフラミンゴである。
「フッフッフッ、おいディスコ。」
「………」
(またか)
毎回とことん追い回して、嬲るだけ嬲り、そんで結局嫌われる。
毎回同じパターンで撃沈している上司の間違った求愛行動に疲れを隠せないのは、部下のディスコ達である。
「はいはい。何でしょーか?」
「今からちょっと出て来るからよぉ。お前この案件どうにかしとけ。」
バサッ、 と置かれた書類の束にディスコは遠い目をした。
「……何でこんなに貯め込んでるんですか…」
軽く凶器になりそうな厚さに目眩と殺意を覚える。
特別ディスコが虚弱体質な訳でも、貧血持ちな訳でも、命知らずな訳でもないが、
この我が儘上司が仕事を放っぽり出して一人のルーキーに没頭しているせいで、ディスコ達の睡眠時間は日に日に削られている。
連夜続く残業につぐ残業。
寝不足と疲れで、もはやサングラスの下は某海賊に負けず劣らず真っ黒だ。
頼むから仕事をしろ、仕事を。
ここ最近、上司がまともに仕事してる姿など見た事がない。
会社が機能してるのは何を隠そう、ディスコ達の努力の賜物であろう。
(なのに失敗するととんでもねーからな。もう、こうなったら浚って机に括り付けるか)
そうすればあの上司も喜んで机から離れるまい。
足どり軽く部屋から出て行く現在春真っ盛りな上司の背中に、ディスコは半ば本気にそう考えた。