┣そよ風の物語(小説
□そよ風の物語…
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およそ3年経った冬…
日本と違い少し寒い国のお話。
しかし極端には違わない。
夏場は25℃いくこともあるし、冬場でも雪はあまり降らない。
ロシアのように恐ろしくも下がらない。海も凍らない。日本より安定していると言える国。
願わくばあってほしいが、作者の妄想による世界…。
存在などし得ません。
時代はまだ19世紀中盤もしくはそれより前の世界の構成。
戦車はギリギリあれど戦闘機などありはしない、その頃の時代。
おや、歯車は既に回っていたようです。
「どこみて歩いてんのよ!クソオヤジ!」
声は小さな少女の物。
都市中心に近い位置から始まったようで。
「聞いてるの!?しっかり前見て歩けよ!」
その少女は金髪で肌も白く、既に美人といえるような顔だった。
幼いのだが、大人になれば美人だろう。
誰もがそう思うであろう、気品すら感じさせる顔立ちだ。
しかしながら、言葉は容姿から想像つかぬ暴言ばかり。
「餓鬼だから許して貰えると思っているのか」
少女に言われ放題だった大きな男が少女を睨みながら脅すように言う。
恐らく、いや、本当に脅しているのだが、少女は態度を変えない。
「許して貰えると思ってるわけ?オッサン」
態度を変える変えないの域じゃない。
もはや挑発。
男の顔に指をさして、恐いもの無しの少女だった。
都市中心なので周りは人が行き過ぎ往生する。
しかし誰も止めない。誰も見ない。ただ歩くばかり。
ギャラリーは少しいるが、なんというか。
ファンなのだろうか・・・?(謎
とにかく誰も助ける様子はない。
「すみません。この娘はもぅ礼儀知らずでして…」
急に少女と男の間に白い髪をした兵士が生えてきたかのように登場し、双方の壁になった。
彼の顔はしっかり男を見ている。
それには少女も大男も、ビックリした様子だ。
むしろ少女の方が驚いているようだが。
白い髪の男…いや恐らく少年。
少女は10歳前後、少年は18歳前後、オッサンは30前後。
「すみません。私から叱っておきますので…」
そういって笑顔で、白髪は少女の肩に手をかけて押しながら去ろうとした。
少女は押されるがまま足を運んだ。表情はとても不本意そうだが、従う。
男に二人の撤退を止める意味はない。だがしかし、何とも不愉快だった。
無論、言われっぱなしで引き下がるほどお人よしではなかったのだろう。
「まてよ」
男は少年の肩を持って無理に引き寄せた。少年は反応が早いようで、少女の肩にかけていた手をすぐに離した。
少女は引き寄せられることも、転ぶこともしなかった。
「なんでしょうか…」
…