┣短編小説

□背を向けた少年と少女…
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少年はまだ子供…。

生まれつきにも背中に酷い傷をおっていたと、彼は聞かされた。



今はまだ子供だからか、軽い仕事しかしていない。

国内の内乱専門の部隊だからという事もあるからか…。




彼は背中の傷が酷いものであることから、
人へ絶対に見せないと心に決めた。

覚悟の大きさは、冬の川にも身体を投げ入れ洗う所からもわかる…。



そんな日の出来事…。





氷点下に近い温度の水の中で、独り身体を清めていた。

ズボンは履いているし、身体を洗う仕草などまったくしていなかった。


彼は絶望を常に感じていた…。




“何をしているの…”




彼は背中からそんな声を聞いた。

振り返ると少女が立っていた。
悲しそうな顔を、眼をこちらへ向けて…。



“見たのか…”


“うん…”



少年は、嫌われたと思った。



“早く… どこかへ行ってよ…”


“関係ないよ 風邪引くよ”



希望がわいた…。
許されるのか…?

光が見えた。
寒気が増した。

夢を持てた。
罪悪感に満ちた。

救われた気がした。
苦しめられた気もした。







あぁ…、ツインテールの少女の姿が眩しいと…、
本当に心から思えた…













…続きます
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