┣そよ風の物語~本編~(小説

□そよ風の物語~本編~
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昔の話になる。


ギルタニアの一方的な攻撃、侵攻がいたるところで起こった。
今ではそれをギルタニア戦争と総称して呼ぶ。
ギルタニアの兵力と国土、資源を活かし、次々といろいろな国を攻めた。

ゾルボニア王国も、その被害を被(こうむ)った。


ギルタニア戦争の中でも一際(ひときわ)世界を騒がせた戦争はやはり、
ギルタニアとゾルボニアとの戦いだ。

兵器や戦艦を駆使した、大規模すぎる戦争。
他に類を見ない規模だった。
貿易摩擦や宗教的違いからという簡単な理由の戦争だったとされる。

10年もの間に何度もの衝突を起こし、
そのたびに幾多もの人が、まだ若き命すらも、無残にも奪い去っていった。

侵攻を受けるゾルボニアも多大なる被害を被(こうむ)りながら、
勝利を収めた。

元帥レボル=フリートという男の策略によりギルタニアを追い詰めたとされている。
しかし何を思ったか、ギルタニアには損害賠償等、
権利が得られているにもかかわらず、請求することをしなかったという。

当時国王は、多大な批判をあびることとなった。


同年国王の娘であるエリザ=ゾルボニが行方不明。
王位継承候補第一位であった彼女の行方は、それ以降も不明である。



戦争は、世界各国でギルタニアとゾルボニアの戦いを期に、改善されていった。

何時しかゾルボニアもギルタニアも、
王政を取りやめすることになり、
貴族も力を失って行き、民主の時代がやってくる。


車が発展し、そのうち飛行機も完成する。
世界は豊かになり、平和になった。


戦争の終結日から早40年以上の年月。
人々に残る戦争の傷跡も、次第に薄れていった。





戦争の頃の話が今、流行っている。


ゲーム等に偉人や超人の名前を使ったもの、
過去の話を小説化するという、過去ブームが起こった。

その中でも目立つのは、
エリザのお話である。


作:ホーエン。
彼はエリザとレッド、アルガという有り得もしないような旅物語を描いている。

現在のレッドやアルガの印象は、
“赤き血”という残虐にして最強最悪の集団の一員というのが、
この世界の常識にまでなっている。
ゲームには悪役としてしか登場しない。

ホーエン氏のその本は、そうではない。
というユニークさから、小説家としての栄光を手に入れたという。


そんなところだろうか。


そう、
語るならコレで事足りる。
あんなにも長い話にするほどのことはない。
序章とは本来、こんなにも短くても事足りてしまう。


今の世界の概要は、今話したとおり。



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