┣そよ風の物語(小説

□そよ風の物語~同時進行のもうひとつ~
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レボルや多くの人達が作戦を立てる。
ローズの前でヘラヘラしていた二等兵格好の男は、
凄く不満そうにそれを見ていた。


「…あんなんで勝てるわけ…」


なんて言葉が時々、真横なら聞こえる程度で言っている。
そんなオーラと嫌な気分までもうつってしまいそうに感じているローズは、
煙草を弄ったりしてそんな気を紛らわそうとしていた。


「おい、お前名前は?」


小声で尋ねる。
ぱっと見て実力的に、軍曹か少将くらいだとローズは考えている。


「フリーと呼んでください。
 階級は、お恥ずかしながら軍曹です」


ビンゴ!
心の中で叫んだ。


「ローズさんって、白薔薇のローズ=エイストですよね。
 噂では聞いてたんですけど、
 まさかここまでの気迫とは。

 私では全然ですね」


「顔近いぞー…」


どうでもいいような顔をしながらローズが呟く。
フリーは笑顔で顔を引く。


「失礼しました。
 そういえばローズさん。

 この会議、どう思いますか?」


ローズはあたりを見渡してみる。
偉ぶったような人間、頭の悪そうな人間、
自分の権威を主張したそうな人間…。


「つまらんとは思う」

「ですよね」


まるで子どもだな。
自分と意見のあう人間が居ると思えば、
何故かこうもつっかかってくるところが。

そんなことを思いながらローズはライターを取り出して、
それの輝きを仰ぐ。

ローズがこの場で完全に浮いている。
態度から座り方から。


「こういう会議って、駄目な作戦が立ち易いんですよ。
 戦場をよく知らない人間が決めるべきじゃないと思うんです」


「そーかもな。
 俺も、こんな会議出ても役に立てないのはよーくわかってる」


「へぇ?」


いちいち癇に障る態度だ。
多分こちらの性格をうかがっているんだろうが、
こういう人間はあまり好きじゃない。

確かにかなりの戦力になる、レイスのような人間だが、
こういう人間ほど扱いが難しい奴らはいない。

だけど何でか、こういうタイプはローズという人間に対して関心を持つ。



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