宍「今回は、『著作権』についての話だ」
鳳「うーん…生活に馴染み深い言葉ではありますけど、よく、わからないんですよね。著作権を取るには、何か手続きが必要なんですか?」
宍「…お前、弁護士の息子だろ。そんな事も知らねーのかよ」
鳳「そ、それは、関係ないと思います…」
宍「著作権は、その文書や絵画を作成した時に、自動的に発生するもので、公的な手続きなんて一切必要ない。だから、幼稚園児が書いた落書きのような絵にも、ちゃんと著作権は発生するんだぞ。それが創作的な表現なら、誰だって著作権を持つ事が出来るんだ」
鳳「そうなんですか…」
宍「パクリや盗作が著作権侵害だって事は、お前も知ってるよな?」
鳳「はい」
宍「当然、他のサイトに飾られている小説・イラスト等を無断で持ち帰るのも厳禁だ。管理人の許可を貰えば話は別だけどな。中には、『私的使用の範囲でのみ』持ち帰りを許可してる所もある。だけどそれは、イラストの場合なら自分の携帯のデータフォルダに入れて個人的に楽しむなどの場合であって、自分のサイトにアップしたりする事は、『私的使用の範囲』とは言えない。たまにフリー小説をやってるサイトもあるが、それでも、著作権はそれを書いた本人に帰属する。フリー小説とは言っても、『自由に持ち帰ってくれて構わない』という作者の意思表示であるに過ぎず、その著作権が放棄されている訳ではないから、書いたのは自分だと偽ってサイトに掲載したり、誰が書いたのか分かりにくくするような紛らわしい表示の仕方はするな。サイトに掲載する時は、ちゃんと分かりやすい所に、小説やイラストを書いた人の名前を入れておくんだぞ。じゃないと、『これは盗作じゃないか』と疑われても仕方ないからな」
鳳「き、気を付けます…」
宍「あと、サイト作成等でよく使う『素材』も、作った本人に著作権がある。いくらフリーだからって、それを『実際に使用してるサイト』から持ってきたりしたら駄目だぞ。直接、素材を配布してるサイトから貰ってくるようにしろよな」
鳳「フリーで、自由に配布しているからと言って、著作権が消滅する訳では無い…と、いう事ですね」
宍「そうだ。多くの小説サイトやイラストサイトで、管理人は著作権を主張している。長太郎は、著作権表示マークって見た事あるか?」
鳳「……いえ」
宍「(C)ってやつだ。これは、『コピーライト(著作権)』の有無を示す表示で、公共出版物の後ろには大体このマークが入ってるし、サイトtopの下部にも、たまに入れてるやつがいるよな。二次創作サイトの場合、あまりこれは使わない方が良い
鳳「どうしてですか?自分で一生懸命書いたものを守るためには、ちゃんと、自分の権利を主張しないと盗まれちゃいますよ」
宍「著作権表示のマークは、『全ての著作権は私にあります』っていう意味なんだ。つまり、サイトのデザインや作品中の文章構成・キャラクターに至るまで、あらゆる物の著作権がサイト管理人にあると考えられてしまう。だけど、オリジナル小説ならまだしも、二次創作で使用されてるキャラクターは既存の物だろ?」
鳳「そうですね。キャラクターの著作権は、本来、原作者にあります」
宍「だから、二次創作サイトでは、厳密に言えば、著作権を主張する事は出来ないんだ。『文章又はイラストの無断転載・盗作・模倣の禁止』程度しか記載する事は出来ない。…まぁ、これは、知識の一つとして覚えておけば良い」
鳳「…なるほど。二次創作の場合、その文章やイラストは紛れも無く本人が書いた物だけど、中身のキャラクターだけは原作者の著作物だという、不思議な現象が起こるんですね」
宍「そういう事だ。因みに、自分のサイトに公式画像を載せるのも著作権違反でアウトだからな。出版元が著作権に厳しい所なら、特に気を付けた方が良い。世界的に有名な、鼠の国の画像なんて使ってて閲覧者に通報でもされたら、訴えられるかもしれないぞ」
鳳「そ、そんな…夢と希望の国なのに…」
宍「あそこは昔、著作権表示が万全じゃなかった頃にキャラクターをパクられて、それを完全に盗まれたという苦い経緯があるから、今でも著作権には敏感になってるんだよ。小学生の描いたポスターやプールの底に鼠のイラストを描いたら、その会社から警告を受けて消させられたっていう事件もあるぐらいだしな。本気で潰しにかかってくるぞ」
鳳「……はい」
宍「後は、アイドルの写真とかな。ジャ●ーズ系が厳しいのは有名だが、テニミュの公式画像等の掲載もやめた方が良い。それに加え、生モノサイトの場合だと、実際に存在する人間を扱ってる点で二次創作とは大きく違い色んな問題が出てくるから(※1:プライバシー権・※2:パブリシティ権[肖像権]・名誉毀損等)、注意が必要だ。もし訴えられても、文句は言えないぞ」
鳳「もし宍戸さんの写真が、いかがわしい出会い系サイトにでも使われてたら嫌ですしね……タレントやアイドルなんて、特に、イメージも大事ですから」
宍「あまり知られていないのは、テレビで流れてるアニメーション画像を写メで撮るとかな。あれもアウトだ。それと同じで、公式の写真やイラストを携帯の写メで取ってサイトに載せるのも立派な著作権侵害だからな」
鳳「どんな形であれ、公式画像をサイトに載せたりしたらいけないって事ですね」
宍「あぁ。中には、通報目的でサイトを回ってる奴とかもいるからな。数が多すぎて、実際に二次創作サイトの規制がままならない状態だと言っても、公式画像の無断転載になれば話は変わってくる。例え商用目的じゃなくても、不特定多数の目に触れるweb上に公式画像を転載するのは犯罪行為だから、その事をよく覚えておけよ」


※1:プライバシー権…有名、無名を問わず、広く一般的に認められるもの。本人の許諾無しに肖像を無断掲載すれば、権利侵害となる。

※2:パブリシティ権[肖像権]…有名人にのみ認められた権利。有名人の肖像には経済的価値があると考えられるため、その肖像を使用するには、許可と使用対価の支払い義務が発生する。

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