etc.

□哀しい祈り
1ページ/5ページ


 永遠を得るかのように

 君は両手を広げて



 「ステラ・・・・」


 降りしきる雪の中、熱が失われた身体を抱きしめる。

 傷ついた身体、物言わぬ身体。

 俺が一番守りたかった少女の、変わり果てた姿。



 “シン!”



 もう君の唇が、俺の名前を紡ぐ事はない。


 ベルリンの街から数キロ飛んだ先にあった静かな湖に、シンはステラを水葬した。
 水底にゆっくりと落ちていくステラ。
 沈んでく身体と逆向きに、貝殻のペンダントが浮かんで煌めいた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ