etc.

□I'm waiting for you.
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 不思議な人だと思う。
 誰かを責めることもせず、ただ守りたかったと言って泣く少年。
 遠くを見つめる姿は儚げで、今にも消えてしまいそうなのに。
 その瞳から、目が離せないのだ。

 彼と初めて会ったのは戦艦の中だった。
 地球軍の船と遭遇し、話の雲行きが怪しくなったのを案じた仲間に救命ポッドに乗せられ、その場から密かに脱出させられた。
 自分では操縦できないポッドの中、婚約者のくれた小さなロボットと長い間待った。
 漸く開いたドアの先、無重力で流れてしまった身体を迷わず掴んでくれたのが、彼だった。
 キラ・ヤマト。


 会話を交わしたのは、ほんの数度だった。
 手を取ってくれた時のこと。
 食事を持って来てくれた時のこと。
 大きな声で、泣いているのを見つけた時のこと。


 彼は孤独だった、ように思う。
 ナチュラルで構成された地球軍の中で、唯一のコーディネイターであるからか。
 友人と呼ぶ人はいたようだけれど、どこか居心地が悪そうな、絶えず悲しそうな顔をしていた。
 赤い髪の少女が自分に向けた言葉に傷付いたのは、きっと彼の方だった。


 …孤独なのは自分も同じだった。
 そして自分の傍らにハロがいるように、彼の肩にはトリィがいた。
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