etc.

□明日への協定
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 「体の具合はどう?」

 言外に「起きてて大丈夫?」と聞いてくる瞳はとっても優しい。

 「もう平気です。すいません。ご迷惑かけて」
 彼が何度も医務室を尋ねているのを知っていたので、申し訳なく思って頭を下げる。

 「ううん、元気になったなら良かった」

 そう言ってふわりと微笑む。
 その笑みに思わず見とれてしまいそうになる。

 ・ ・・アスランさんも素敵だけど、キラさんもすごく素敵・・・

 ぼーっと見つめていたら、キラさんがきょとんとした顔で見てきたので、慌てて何でもないです、と言う。
 そっか、と答える声は波のように穏やかだ。

 カツカツと足音を立てて、キラさんは私の隣に来て空を見上げた。
 頭上には、満点の星と静かな闇が広がっている。
 目の前の手すりに体を預けながら、静かにキラさんは聞いてきた。

 「・・・少しは、ここにも慣れた?」

 その質問に少し答えを考えながら、同じように手すりに手をかけて、体を預ける。

 「ええ、とりあえず。皆さんとても親切にしてくださいますし・・・」

 それは本当だ。
 私がザフトにいたことなんて何でもないことの様に、みんな優しくしてくれる。
 いや、ここでは何でもないことなのかもしれない。


 大天使の名を持つ、この不沈の戦艦では。

 「でも時々、何だか不思議な気がするんです」

 深い闇をたたえた空を見ながら、私は言う。
 ずっと抱えていた、心の奥の気持ちを。
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