etc.
□明日への協定
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「私はまだミネルバにいて、目が覚めたら、お姉ちゃんやみんながいる、いつもの日常がある気がするんです」
ミネルバの事は知らないだろうけど、キラさんは黙って聞いていてくれた。
「何で、自分がアークエンジェルにいるのかわからないんです。」
私の声は、暗い空に溶けるように消えていく。
「今まで信じてきたものや、当たり前だと思っていたあのころは、なんだったのかなって。どうして、私はここにいるんだろうって」
なんのために、私はここにいるんだろう。
ミネルバを捨ててまで、どうしてここにいるんだろう。
あの時、アスランさんの手を取ったことは後悔していない。
彼は追われるような人ではないから。でも。
アークエンジェルを降りるように言われた時。
なぜ私はあの時ここにいる、と言ったのだろう。
置いていかれる寂しさや不安もあった。でも。
その答えは、まだ出ていなかった。
強い意志をもって、集まった人たち。キラさんもその中の一人で。
彼のような強さは、私にはまだなくて。