etc.
□明日への協定
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「外の世界を、見て見ぬふりもできるんだけどね」
そう言って、キラさんは少し自嘲するように小さく笑った。
「知らないふりをすることが楽なのはわかってるんだ」
でもその声音は、後悔なんて全然感じさせなくて。
「でも、僕もアスランも、不器用なんだよね。」
いつだって、敵が誰なのかを迷っていたアスランさん。
傷ついても、それでも彼の瞳は光を失っていなかった。
「どんなに辛くても、その先にある未来からうまれる“何か”が、きっと欲しいんだ。」
・・・そうか。
何の為に、じゃない。大切なのは・・・
今の自分が、何をしたいか。
「・・・ごめんね、話に付き合わせて」
「いえ、そんなこと!!」
「じゃあ、僕はもう戻るよ。ゆっくり休んでね。」
戻ろうとするキラさんに、私は慌てて声をかけた。
「あ、あのキラさんっ!」
「え?」