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□幸せへのプロポーズ
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「いや……でも、だからってこんな急に…」
衝撃に打ちのめされていたアスランは、再び懸念を示した。
ラクスだって、普段の落ち着いた様子や人を食ったような言動は何処へいったのか、驚いた表情で固まったままだ。
するとキラは、表情の質を変えて言った。
「…遅かれ早かれプロポーズはするつもりだったよ」
さらりと吐いた彼の爆弾発言に、カガリは密かに目を丸くする。
他人の好意に非常に鈍感だった弟が、こんなにもストレートな言葉を口にするとは思わなかったからだ。
「今までも傍にいたけど」
向かい合っていた椅子から立ち上がり、愛しい恋人に彼は近寄る。
「結婚したら、もっとずっと一緒にいられる」
腰掛けたままの彼女の前にしゃがみ込み、姫君に忠誠を誓う騎士のように見上げる。
「どんな時でも」
白くたおやかな手を取り、掌に乗せられたのは、小さなケースに入ったペアリング。
例えどんな時、どんな場所にいても。
薬指に交わされる絆が、二人を結びつけて離すことはない。
キラは柔らかに微笑んで、そっと首を傾げてみせた。
「…どうかな?」
「…はい」
彼の前でだけ見せるとびきりの笑顔で、ラクスは頷いた。
「結婚、いたしましょうか」
こうして宇宙最強カップルのゴールインは、あっさりと決まったのだった。
…後日この騒動の遠因となったシン・アスカに、様々な方向から皺寄せが来たそうな。
END
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