etc.

□生まれた時からの絆
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「……私とお前たちの道が、どれだけ重なるかはわからない。でも私が最善だと思うことを、私自身が選びたいと思う道をこれからは行く。皆と、自分の為に」

 顔を離し、目を逸らさずに決意を語ったカガリに、キラは大きく首肯いた。
 それにカガリも頷く。そしてちょっと悪戯っぽく笑ってから、彼女はキラの胸を小突いた。


「……でもそれは、お前だって同じだからな」
「え?」
「お前は強いし色んなこと出来るけど、お前だって私と同じ一人の人間なんだ」

 不意をつかれた顔をしたキラに、カガリは昔と同じ、どこか危なっかしい彼を見守る、暖かみのある表情で笑った。

「昔みたいに、先急ぐなよ?」

「………大丈夫。今は皆がいるし」


 傍らにいる大切な人達の顔を思い浮かべ、キラは微笑み

「…カガリもね」

 と添えた。太陽のような笑顔を返してくる彼女に、キラもまた笑みを深めた。
 笑い合いながら二人は艦の通路を歩き出す。まるで子どもの様に、どちらからともなく手を繋ぎ合った。触れた体温がくすぐったくて、お互いにまた笑う。



 こうしてまた、きみは手を引いてくれる。
 出逢った時から変わらない、その優しさに何度も救われた。
 今までも、ずっと。これからも、きっと。



END
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