プロポーズ大作戦

□日本の場合
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「ああ、イタリア君にプロポーズするんですねわかります」


「だから何でわかるんだ!?」

「二次元的な萌えを求めた結果ですよ」

サラリと言われて顔に熱が集まった俺は落ち着くために冷めてしまったお茶を飲み干した。

「それで、ドイツさんのことですからどうプロポーズしたら良いかわからない、と言った悩みで良いでしょうか?」

「…ああ」

コイツには敵わない。
この勘の良さは恐ろしさすら覚える。

「ドイツさん。『吊橋効果』と言うのをご存知ですか?」

「ま、まぁ…聞いたことはあるな」

確か、橋の上で告白をすると成功率が上がると言ったものだ。
立派な心理学の一つとしてこれは証明されている。

不安定な橋の上で感じる恐怖は、脳から分泌されるアドレナリンによるものだ。
その分泌で心拍数は上がり、緊張状態になる。
この状態で告白をされた人間は恐怖からの緊張を恋愛感情としての緊張と錯覚してしまうことが多い。
故に告白してきた異性を一層魅力的に感じるらしいのだ。

簡単に言えば恋人同士で絶叫マシーンやお化け屋敷に入るのも同様の効果が得られるからだろう。

「さすがです…かなり詳しいじゃないですか」

「む…。以前に心理学の本を読んだ時にな…」

「そうですか…(恋愛の指南書とか読んだのですかね?ドイツさんなら有り得るのかも…)」

「で、それが何だと言うんだ?確かに興味深い研究だとは思うが」

「ですから、それを使いましょうと」

「………?」

「ふふ、段取りを説明するので今度是非お試しくださいね」

そうして日本はおしとやかに笑みを浮かべた。




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