プロポーズ大作戦
□ロマーノの場合+α
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しかし、答えが出ないままに奴は現れた。
「てめぇジャガ芋野郎!!何しに来やがった!!」
「ろ、ロマーノ落ち着いたって!」
こっちに気づいて走ってきたと思ったら突然の罵声。
確かにロマーノにはよくあることなんだが今日のは少し違う。
なんと言うか、挨拶代わりの罵声ではなく、本当に俺に対して怒っているようなんだ。
最近ロマーノと会ったわけでもないし、ロマーノに直接的に怒らせるようなことをした覚えはない。
ならば間接的に何かしてしまったんだろうか。
…だとしても原因もわからずに謝っても意味がない。
とにかく来た用件だけでも言わなければ。
「ロマーノ、イタリアのことで少し話があるんだ」
「ヴェネチアーノの…?」
ロマーノはイタリアの名前を聞くとさらに眉間のシワを増やし、不快そうに顔を歪めた。
しまった、と思った時には遅かった。
怒ったロマーノに思い切り頭突きされる。
あまり痛みはなかったのだが、不意打ちだったので地面に尻餅をついた。
ロマーノはロマーノで頭を抑えているのは、本人も相当痛かったからなのだろう。
涙目になっている。
「ヴェネチアーノに何しやがった!!アイツが変になるのはいつもお前絡みのことなんだぞ!!」
「…どういうことだ?」
「ヴェネチアーノがお前を相当好きでいてもな!お前にその気がないならヴェネチアーノがもっと辛くなるだけなんだっつーの!!そんなこともドイツ人はわかんねーのか!?」
「待て。イタリアに何かあったのか!?」
地に手をついて立ち上がりロマーノと距離を縮めようとしたが、ロマーノはスペインの後ろに隠れてしまった。
スペインも、困ったようにしているがロマーノに久々に頼ってもらえて嬉しさが隠せないようだ。
心なしか顔がニヤけている。
「ロマーノはほんま親分がいないとダメやなー」
「うっせー!」
「スペイン。どういうことなんだ?俺は自分の知らない内にイタリアに何かしてしまったのか」
「スペインに聞いてんじゃねーよムキムキ野郎!」
「まーまーロマーノ。ドイツは状況わかってへんようやし、俺が説明したるから待ったって?」
「…クソッ」
ロマーノは納得していないようだがスペインの一言に従うことにしたようだ。
だが、俺を睨む視線を外すことはなく、それと目を合わせたらまた怒りがこちらに向いてくるとわかった俺は視線に気づかないフリをする。
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