Beloved feeling

□*eight*
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アハハと笑う、名取を睨んでやる
「お前な・・・」
「踏ん張れよ、その位」
笑いながら、両手を持って起こしてくれる
「着物・・返しに行かないとダメだよな?」
「いいんじゃない」
あっさり言い切るので、見上げると
「多分、客用のだから腐るほどあるよ。旅館の奴と一緒」
「いいのかな・・」
「的場に会いたい?」
首を傾げて聞いてくるので
俺は思いっきり首を左右に振る
「なら、いいじゃん」
俺は渋々頷く、助けて貰った後のことは別だが礼を欠くような、そんな気分だ
だが、会いたいとは思わない・・思えないので自分を納得させる
名取は俺の足元に座り込んで、箱からチューブを取り出し
クリームを指に出して、足に塗っていく
冷たいのと、くすぐったいので足を動かすと
「じっとしてて、塗れないでしょ」
「何それ?」
「クリームタイプの湿布薬、青あざも早く治るって」
「へ〜」
と言いながら、自分で塗ろうともせず
手をベッドについて、名取がしてくれるのを受けていたら
優しく動く手と、指の動きに、なんだか反応してくる自分に気づく

(あ・・・やばい・・・信じられない俺の体)
「ちょ・・・もういいよ、ありがとう」
「なんで?あと少しだよ、傷には塗れないから、ここは消毒しないとな」
と言いながら、傷にフッと息をかける
その刺激にさらに体がピクッと反応する
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