Beloved feeling

□*nine*
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翌日は約束通りにあさひ食堂へ向かい
朝の掃除と、テーブルを拭いて回り
用意が出来てから、店の外にのれんを出して
札を営業中にひっくり返す
しばらくしてから常連が昼飯を食いに店へ入ってくる

お水を出して
「こんちは」
と笑顔で声を掛けると
「今日は優ちゃんは?」
「用事で出かけてます」
「そうか・・病気とかじゃ無いんだね」
「ええ・・違いますよ」
注文を聞いてカウンターに伝票を置いて、声を掛けると
おやっさんの野太い声が返ってくる
入ってくる常連すべてが
同じ質問をしてきて、同じ答えを返して
注文を聞いて、たまに営業マンらしき奴が入ってきたり
主婦が子供連れでやってきたり
パタパタと動き回って、ようやく昼の時間が終わる
夜と違い、みんな慌ただしく食べて出て行くから回転速度が全然違う
夜は酒を飲みながらな分、ゆっくりご飯を食べるからだ
常連のじいちゃんばあちゃんはのんびりしているが

「夏!のれん下げていいぞ」
「はい」
おやっさんの声でのれんを店に入れて、札を準備中に変える
ご飯何食う?と聞かれてあれこれ選んでいたら
「ただいま〜」
「お帰りなさい」
奥さんが戻ってきた
心なしか沈んだ表情だ・・どうしたんだろう珍しい
いつもニコニコ笑顔しか見たこと無いから余計に感じる
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