Beloved feeling

□*nine*
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「ハンバーガー買ってきたよ、昼ご飯まだでしょ?」
「はい・・」
「何!?ハンバーガーだと」
おやっさんが喜んで振り返る
自分がいつも作る側だからか、たまに出来合いの物を奥さんが買ってきたら
すごく喜んで食べている
ハンバーガーも大好物の1つだ
店の奥に休憩所がある6畳ほどの和室に、テレビや簡易キッチンがあり
自宅まで戻らずに昼から夜の間はこちらで休憩するためだ
店の戸締まりをして、奥に3人で行き、テーブルを囲んで
紙袋からハンバーガーや色々並べていく
おやっさんと俺の前には一番でかいのが置かれて、内心マジで?と思う・・・ポテトも飲み物もLサイズだ・・
おやっさんと同じ胃袋だと思われてもな・・・と
思いながらも手を合わせていただきますと声を掛けてから
紙を剥いて齧り付く

奥さんは相変わらず、沈んだ表情のままで
思わず顔を覗き込んで
「何かあったんですか?」
聞いてしまう
「あら!分かる?」
「分からいでか!思いっきり顔に出てるだろ」
そお?と頬に手をあてて、おやっさんを見て、俺を見て
「なんだか変な話しを聞いてきて気持ち悪くなってさ・・・」
「まて!話すのはいいが食い終わってからにしろ、気持ち悪い話なんてするな!」
「あら、違うわよそっちの気持ち悪いじゃなくて・・・・こっちよ」
と両手を上に持ち上げてブラブラさせる
いわゆるお化けのポーズだ

「ああ・・・そっちか・・・んなもん気のせいだろ」
おやっさんはあっさり一蹴して、何故か俺の顔をチラリと見た
(・・・・?)
なんだろう、今のチラリ目線
「違うの!私も今日、詳しく聞くまでは気のせいよ!考えすぎ!なんて笑ってたんだけどね・・・」
ふうとため息を吐く
俺としてはお化けは見えないが、別の奴は見える
どんなのか聞きたくて
「どんな感じなんですか?」
好奇心が勝ってしまい、バーガーを囓りながら聞いてしまう
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