Beloved feeling

□*nine*
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奥さんの話をまとめると
おかしな事が起こり始めたのが2年程前かららしい
最初は皿が割れていたり、食べた覚えが無いのにご飯が無くなっていたり
最初は勘違いだろう、家族の誰かが食べたか割ったかしたんだろうと
あまり気にもしなかったが・・・
日を追う毎に頻度は増していき
夜に壁をドンドンと誰かが叩いて回る音がしたり
階段をずっと何か固い物を履いたような音をしながら
上がったり、降りたり
その音が夜中中ずっと続いたり
隣の家にもその音が響くのか、苦情を言われたり
もう散々だと・・この家を売って出て行こうかと考えていると話をされたらしい

(食い物が無くなるんなら・・妖か・・・?お化けは食えないもんな)
ただ妖だとしても、俺としては口を挟みにくい状況で・・・
この食堂で奇異の目で見られるのは、耐えられないけど・・
その被害に遭っている夫婦の話にも同情が湧く
バーガーを食べる手が止まり、しばらく俯いて考えていると

「夏・・・」
おやっさんの声に顔を上げると
ニコリと笑われて
「お前なら解決できんだろ?」
「え・・・・?」
俺はびっくりしておやっさんの顔を見る
奥さんもびっくりして俺を見てくる
心臓がドクンッと大きくなり始めたみたいだ
「隠してるつもりだったろうが・・たまに店の外で、握り飯を投げてやったり、前は店の玄関前で、踏ん張って何かが入って来ようとしてたのを防いでいたこともあったな」
おやっさんがニヤリと笑う
俺は顔が熱くなっていくのが分かる
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