is in love

□陸
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言葉も無いまま、唇を合わせると
首に腕を巻き付けてくる
目をギュッと瞑って、少し震えているのが腕を通して首に伝わってくる
唇を合わせながら、下の服を脱がすと
まぶたが少し開いて、睫が震えるのが見えた
唇を離して見下ろすと
「・・・名取さん・・・」
「ん?」
「そんな顔・・初めて見ました」
「・・・・・」
「写真撮りたい・・・・」
俺はガックリと項垂れる、萎える様な事言うな・・・
「ダメ」
さらに口を開いて、何か言おうとするので
親指で左から右へ滑らせて
「お口チャック」
そう言うと、頬をピンクにしてギュッ口を噤んだ

桜を見ながら、桜色に染まった君を抱く
なんだか不思議で、温かくて忘れられそうにない



落ちてしまった夏目の頬をそっと撫でて
額にキスを落とし、布団を掛けてやる
窓を閉め、カーテンを引いて部屋をそっと出て
シャワーを浴びるため風呂場に向かう

我ながら、日の明るいうちに何をやってんだか
しかも初めての相手に
苦笑以外に出て来ない
シャワーを浴びて、服を着替えて水を飲みながら先ほど夏目が覚えている途中だった
ノートを見下ろすと、そこには
俺の名前しか書かれていない・・
延々と俺の名前・・・

あいつ・・・・勉強する振りだけはだけはうまいんだな・・・・

でも途中から文字が乱れていて
ちょっかい出した頃だなと笑いが込み上げる

そのまま横になり、陽がよく差し込む室内はほどよく暖かい
遠くで鶯が鳴いている声が聞こえる
そんなのんびりとした音を聞きながら
目を瞑ってしまう
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