is in love

□陸
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実を言えば、脱ぐ暇も惜しいくらいに
夏目に没頭してしまった自分に
本当にビックリしている
今まで、誰を抱くにしてもこんな余裕がない自分は初めてで
こうして、抱きしめているだけで
また、夏目の中に自分を埋めてみたい
あの可愛く喘ぐ様を見てみたいなどと
思っている自分にもビックリだ

抱くまでが肝心で、抱いてしまえば興味は無くなり
あとはサヨナラだけが待っていた
そんな気持ちでは無かった
やっぱり、違うんだと
人を好きになるって言うのは不思議な事だと
温かい夏目を抱きしめながら思う


「動けそうなら、夜桜でも見に行くか?」
「!」
夏目は嬉しそうに顔を上げて、何回も頷く
「じゃあ、用意しろ」
「はい」
抱きしめている腕を解いて、立たせてやると
なんだか微妙な顔つきをしているので
「違和感ある?」
覗き込んで聞くと、夏目は顔を真っ赤にして
フルフルと頭を振り、部屋から出て行った

絶対違和感あるんだな・・
初めてだと、女でもそうなんだから
男だともっとあるんだろうな〜

そんな事を思いながら、布団の始末をして
キッチンへ行き、昼抜きでお互い寝てたから
お腹がペコペコなので、ご飯の残りを確認して
おにぎりでも作るかと、釜を引っ張り出して
冷蔵庫を覗き、中の具材を考える
大した物は無いので、おかずは卵だけだ
明日には帰るから、買い物もしてないし
1ヶ月振りにきて、なんじゃこりゃ?というのは避けたいので
冷凍もの以外は残さないようにしたいからだ
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