Temptation

□すべて、愛のせい 2
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講義が終わり、鞄を持って教室を出ようと
携帯を触りながら、座席を縫うように歩いていると

集まった男子学生の話し声から

レイプドラッグなら・・¥3000・・・

そんな物騒な言葉が聞こえてくる
チラリと見て、集まっているのが割と
羽目を外しやすそうな奴らばかりで、なるほどな・・と思う
横を通り過ぎようとしたら

「夏目〜・・なんか〜・・薬買わない?」
「薬なんてやらね〜」
「合法だよ?いいのあるよ〜」
「なに?金に困ってんの?」
「じゃないけど〜」
売ってる奴が笑いながら、リストを見せて来る
興味本位で覗き込むと

「夏目でも、興味あるんだ・・・」
集まっているチャラ男が呟く
「なに?なに・・落としたい女がいるの?」
「そんなの、夏目なら笑えばすぐ落ちるっしょ?」
「笑えばってなに?」
俺が、憮然として聞くと
「お前・・知らないの?夏目君の笑顔超可愛いとか言われてんじゃん」
「いいな〜・・俺もそんなの言われたい・・・」
「お前なら、キモ!だな」
「うるせ〜な・・」

リストの中に、さきほどのレイプドラッグとやらが書いてある
1粒¥3000・・・高・・・
視線の先を見たのか、売りの男が
「それね・・マジで犯れるぞ・・・おまけに寝るか、記憶が飛んじゃうから好都合」
ニヤリと笑う
「記憶飛ばれたら・・意味が無いよね?」
俺がチャラ男に呟くと
「お・・・なんか怖いなそのセリフ・・・」
「だな・・・」
俺は鞄を抱え直して、じゃあなとそいつらから離れる
「いつでも声かけて〜!」
そんな言葉が背中に掛けられる
(大学でなんて噂が怖くて買えるか・・ば〜か・・)
そんな事を思いながら、家路へと帰る
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